アマゾンは単なるオンラインショップというだけではない。クラウドコンピューティング、物流、メディア、及びハードウェアなどの分野でも大規模に事業を展開しており、これらの事業によってさらに1,720億ドル(約190兆6,000億円)の売上を記録しているのだ。

 この成功の原動力となっているのが、巨額の研究開発費だ。19年にはその額は360億ドル(約4兆1,000億円)に上っている。この予算を用いてロボットからスマートホーム・アシスタントまで、あらゆるものの開発が行なわれているのだ。

 この額は、他社の研究開発費、そして多くの国の政府の研究開発予算すらを超えている。英国政府の年間の研究開発予算にも追いつきそうな勢いの額だ。英国最大の小売業者であるテスコは、年間の売上収益は500億ポンド(約7兆7,000億円)を超えているが、その16年の研究予算は「6桁」にとどまっていた。

 さらに特筆すべき点として、アマゾンは研究開発費を急速に増加させてきた。10年前、アマゾンの研究予算は12億ドル(約1億3,700万円)だった。その後の10年で同社は、毎年約44%の勢いで年間の研究開発予算を増加させてきたのだ。10年代、アマゾンは研究への投資を倍増させていった。同社で最高技術責任者(CTO)を務めるワーナー・ヴォゲルスは、革新が止まってしまえば「10〜15年で廃業に追い込まれるだろう」と語っている。

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