里見女流五冠にとって、西山朋佳前女流王座は最大のライバルと言っていい存在で、近年は2人でタイトルを分け合う状況が生まれていた。2019年には女流王将と女流王座のタイトルを立て続けに奪われた苦い経験もある。
迎えた今期の女流王座戦は、先月の女流王将に続けてタイトルを奪い返し、対戦成績も13勝13敗と五分に戻した。里見女流五冠は勝利を収めたものの「西山さんは強敵で格上だと思っている」と控えめに語る。
攻守にバランスの取れた里見女流五冠に対し、西山前女流王座は徹底した攻めのスタイルで知られる。「正反対の棋風で、戦うたびに新しい発見がある」と、しのぎを削り合う関係を楽しむ姿勢も見える。