IPFSでは SHAなどの暗号ハッシュ関数を利用してコンテンツのハッシュ値を求め、それをそのコンテンツのIDとして利用する方法を採用しています。ハッシュ関数により得られるハッシュ値は、同じデータであれば必ず同じハッシュ値が得られる一方、少しでも異なるデータからはまったく異なるハッシュ値が得られる特徴があります。
IPFSではコンテンツのハッシュ値を指定し、そのコンテンツが存在する場所(サーバ等)を指定しません。そのため、たとえオリジナルのサーバが何らかの原因でダウンしていても、同じハッシュ値(=コンテンツ)のデータを持っているどこか他の場所から同じ情報を取得することが可能になります。
コンテンツの場所を指定しないIPFSでは、同じコンテンツを複数のサーバから取得できる場合、より近いサーバから取得することになります。一つのサーバーに負荷が集中することを防ぐことが可能になります。
コンテンツ指向ネットワークでは同じコンテンツは無数のサーバで保持されることが可能であり、どこかのサーバがアクセスを遮断されても、代理の他のどこかの別のサーバから同一の情報が取得可能になり、検閲を難しくします。
データのハッシュ値をキーにデータにアクセスするということはデータの改ざんを不可能にします。データを取得した人はアクセスしたデータのIDであるハッシュ値と、そのコンテンツから得られるハッシュ値を比較することで容易にコンテンツの正当性を検証することができるからです。