ある末期患者の少年が自分の痛みについて語った録音を、2つのグループに聴いてもらった。一方のグループは、その少年の感情がどのようなものかを理解し、それに同調するよう指示された。もう一方のグループは、感情移入せず、客観的に聴くように指示を受けた。
被験者は録音を聴いた後に、医師が管理する優先治療者リストで、その少年の優先度を上げるべきかどうかの回答を求められた。共感のグループでは、被験者の4分の3が医療専門家の意見に反して「優先度を上げるべきだ」と判断し、より重度の高い患者をリスクにさらす可能性が示された。客観的なグループで同様の対応を推奨したのは、被験者の3分の1にすぎなかった。