「相手が(対応策を)研究していない可能性があるから、こっちは悪手だと分かっているけれど賭けに出る。相手がクリアしてきた場合はもう1回続けます。三つほどクリアされると困るのですが、その確率は低い。5%もないだろうなと踏んでいます。さまざまな局面の『解』を調べ尽くすのは難しいですから」
「盤上の相手だけではなく、年間を通して対局する上位棋士30人と同時に戦っているイメージです。『Aさんに対してこの戦法でいったら、Dさんはこういう風に研究してくるな』と、ある程度先まで見てローテーションを決めています。プロ棋士同士で会話はしなくても、腹の探り合いをしているのです」
渡辺名人が激白!「AI活用が常識」の将棋界で一流と二流を分けるもの