自動車の方向へと歩いている人物の動画を見せた。その様子を言葉で描写させたところ、英語を母国語とする人の多くは「人が歩いている」動画だと答えたのに対し、ドイツ語を母国語とする人の多くは「自動車に向かって歩いている人」の動画だと答えたのである。
つまり、ドイツ語を母国語とする人は、人物の行為だけでなくその目的も一緒に描写する傾向があるのだ。なぜなら彼らの言語は、出来事を全体において考察する、全体論的観点をもつ言語だからである。これに対して、英語を話す人は、行為そのものだけに注意を集中させる傾向を持っているようだ。