新しい技術を紹介するには二つの方法がある。有機的に成長する方法と、 ビッグバンみたいな方法だ。有機的な成長は、低予算のガレージベンチャーに実例を 見ることができる。誰にも知られずひっそりと、2人ばかりの若者が、新しい技術を 創り出す。彼等はそれをマーケティングも無しに発表し、最初はごく少数のユーザしか 得られない(でもそのユーザはその技術の熱狂的なファンだったりする)。 彼等は技術を改善し続け、同時に彼等のユーザベースは口コミで広がって行く。 彼等がそれと気付く前に、彼等は大きくなっている。
もう一つのアプローチ、ビッグバン法は、ベンチャーキャピタルにバックアップされて、 派手にマーケティングされたベンチャー企業に例を見ることができる。彼等は製品を出す のを急ぎ、華々しくそれを発表して、(彼等の望みでは)直ちに大きなユーザベースを得る。
だいたい、ガレージ組はビックバン組を妬む。ビックバン組は如才なく、自信たっぷりで 出資者からも一目置かれている。彼等は何でも最上の物を手に入れられ、発表の際の 広告キャンペーンによって一躍有名人だ。有機的成長組はガレージに座って、 貧しく愛されていないと感じる。しかし、有機的成長組は自分のことをそんなふうに 考えなくても良いのだ。有機的成長はビッグバンよりも結果的に良い技術と支持者を 得ている。こんにち有力な技術を見てみれば、それらの大抵のものは有機的に 成長したものだとわかるだろう。