金なんか持ってなくたっていいんだよ。借りてくる能力があれば。ハリウッドのプロデューサーって、オールアナザーマネーって言って、私財を投じて映画なんか作らない。全部他人の金、日本だってそれが基本。ヘッジファンドと一緒で、他人から100億借りて企業をM&A(買収)してショーをする。借りる能力っていうより、簡単に言えばだます能力だな。
昔からだけど、金を出す方は出す方で、余ってるとか、何かの名目に充てた節税対策だとか、留保金を何とかしないといけないとか、税務署に持ってかれるくらいなら自社の宣伝費で遊んでやれとか。いわゆる資本家、資産家のような、あぶく銭を出してくれる人がいないとどんなプロデューサーでも成り立たない。複数の事業を展開してて、ポンと何十億も投げうってくれて、『あの映画は俺が作ったんだ!』って。これがハリウッドの世界だよ。映画自体に価値があって、これを作る権利を買うんだという考え方が日本にはない。だから何千万でも回収しなきゃと思っちゃう。