米国だけでも、死産や乳児の死によって赤ちゃんを亡くしている人は、年間約4万5000人に上る。自然流産によって望んでいた子どもを亡くす人も、何万人もいる。また、医療上の理由から妊娠の継続を断念するという、苦悩の決断をせざるをえない人もいる。
妊娠20週に満たない時期にお腹の子を失った場合でも、肉体が回復して元通りになるまでには、数週間から数カ月という長い期間を要する可能性があるのだ。
赤ちゃんとの死別は、いわゆる「公認されない悲嘆」だ。社会で認められておらず、弔われず、支援もされない死別体験による悲嘆を意味する。
これは世界的に見られる現象だが、赤ちゃんを失って悲しんでいる親は、自分の経験について人前で語るべきでないと感じている場合が少なくない。自分には悲しむ資格がないと感じていることさえある。それは、隠された孤独な悲しみだ。