スペースXが当初目指したのは、火星初の植物栽培によって人々の宇宙への興味を掻き立てることである。具体的には、改造した温室をロシアのロケットに載せて、火星に打ち上げるという構想だった。航空宇宙業界で、マスクがこの計画を実現させられると考える人は誰一人いなかったが、彼のビジョンに魅了された技術者や投資家がスペースXに加わっていった。

 この例は、マスクのアプローチの論理的な曖昧さを表している。彼は自身のロジックの一部を「マスタープラン」として明文化しているが、具体的にどのようにして成功に至るかに関する論理的根拠の大半は曖昧なままだ。

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