絵コンテを作り、それを元にレイアウトを描いて、原画マンがキーになる絵を描く。そして、その間を動画マンが埋めていく。そういう日本のアニメーション制作の基本システムは高畑さんたちが作ったものです。でも、高畑さんは『山田くん』のとき、そのシステムをやめたいと言いだした。ひとりの人間が描いた線で作りたいというんです。自分で作った方法論を否定して、新たに作り直す。創造と破壊と再生。そう言えばかっこいいけれど、現実には50人からいる動画マンの仕事はなくなり、ひとりで線を描かされるアニメーターは疲弊して壊れてしまう。それでも、高畑さんはやりたいと言いだしたら聞きません。スタッフは次々に倒れ、消えていきました。それを知った宮さんは「鈴木さん、どうなってるんだ!」と激怒しました。

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