シャンタヌ・ナラヤンは2007年12月、アドビのCEOに就任した。創業25年を迎える同社は、行き詰まっているように見えた。フォトショップやページメーカーといった製品が伸び悩んでいたのだ。

 2008年に彼らは、フォトショップのソフトウェアデリバリーモデルの実験を行った。数年後、アドビは「背水の陣」を敷き、ソフトウェアのパッケージ版の生産を停止して、SaaSモデルに完全移行した。

 2009年、アドビはアクセス解析大手のオムニチュアを約18億ドルで買収した。金融危機以前のピークに比べて40%安い価格だ(ただし、金融危機さなかの底値に比べれば、2.5倍の額である)。2009~2019年の間に、アドビの売上高は3倍になり、株価は毎年29%上昇し、この10年間で最も優れた変革企業の一つとなったのである。

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