『ジャンプ』が創刊された時って、『サンデー』『マガジン』はすでに100万部を発行していたんだよね。『ジャンプ』の創刊時は10万部ちょっと。

 だから既存の作家に執筆依頼をして目の前ではオッケーしてくれても、『サンデー』や『マガジン』の編集者に耳元で「いやいや、先の分からない雑誌なんて止めたほうがいいですよ」みたいなことを言われて、断ってくる。

 そうすると作家がいないから、新人でやるしかなかった。投稿してきた作家とか、どこかでアシスタントをしていた作家でやるしかない。新人だから当然、『サンデー』『マガジン』で描いている作家よりも力がない。だから、作品のレベルを引き上げるには編集者と二人三脚で打ち合わせをするしかない。

 で、そうやって作られた漫画がはたしておもしろいものなのか。おもしろいものかもしれないけど読者はどう思うの? というのがあるから、アンケートを採る。

 だから、今に至る『ジャンプ』の3つの方針(新人作家の起用、編集者との二人三脚、読者アンケート重視)というのは、背に腹は代えられなくて、これしかなかったということで始めたんだよね。

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