企業が特許の恩恵を享受できる期間は限られています。通常は20年です。特許期間が満了すると、先発メーカーの数十億ドルの売上げは、事実上、一夜にして、低価格の後発医薬品(ジェネリック医薬品)に吹き飛ばされてしまう。いわゆる「特許の崖」(パテントクリフ)と呼ばれる現象です。

 ファイザーの高脂血症薬「リピトール」は、ジェネリック医薬品が登場してから1年で50億ドルも売上げが落ち込みました。したがって先発医薬品メーカーは、ジェネリック医薬品に対して特許侵害訴訟を起こすことを、価値ある投資だと考えるのです。

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