南アフリカの富裕な家庭に生まれ育ったマスクは、カナダへ渡り、ついでペンシルベニア大学で経済学と物理学を学んだあと、カリフォルニア州に移住した。彼の突拍子もない発想は、当時からすでに時代をはるかに超えていた。
マスクはまず、銀行システムを革新したいと考えた。共同設立したオンライン決済会社を別会社と合併させて、これが「ペイパル」の前身となる。ペイパルがオンラインオークションの「イーベイ」に売却されると、彼は売却で手にした資金を投じてスペースXを起業し、テスラに出資する。
モデルYは世界で最も売れているテスラEVで、マスクを長者番付の首位に押し上げた(資産2320億ドル / 約34兆円)。
マスクはテスラを7000億ドル(約104兆円)超の企業に育て上げ、自動車業界はEVシフト加速を余儀なくされた。
彼の設立した「スペースX」は、有人飛行可能な再利用ロケットを競合他社に先駆けて開発した。
同社の評価額は現時点で約1250億ドル(約18兆円)とされる。
マスクはツイッターに取り憑かれていると言ってもいい。
マスクは4月に440億ドル(約6兆円)で買収することで合意したが、ツイッターがプラットフォーム上の偽アカウントの数を過少申告していると難色を示して撤回したため、ツイッターはマスクを訴えた(マスク側も反訴した)。だがマスクは10月になって、予定されている宣誓証言を前に考えを改め、再びツイッター社の買収に意欲を示した。
自分は10人の子持ちだから、地球の人口増において役目を果たしていると自負する(子供たちは複数のパートナーとのあいだに生まれた)。最近報じられたところでは、ニューラリンクの役員とのあいだにもうけた双子もいるという。