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世界を覆う未曽有の不況――もはや不況を通り越して、まさに世界の危機である。各国政府・経済界はこの経済危機を乗り越えるべくさまざまな策を施しているが、まったく芳しくない。リストラとコスト削減は家計を疲弊させ、デフレを招いているし、自国産業を守るための保護貿易政策は偏狭なナショナリズムと市場の縮小をもたらすだけだ。かつてない危機に対処するためには、かつてない政策を立案せねばならぬ。すなわち、企業の業績や株価を経済の指標とするべきではなく、失業者数を減らすことを重視するべきなのだ。そのために、積極的な時短とともに、ワーク・シェアリングを行なうこと。労働者の最低賃金を大幅にアップし、家計を刺激すること。国際的には、関税を大幅に引き下げ、ヨーロッパにおいては通貨統合を進めるべきだ。
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 この文章は、最近書かれた経済論文ではありません。実は、これはチャップリンが1931年頃に執筆していた「経済解決論」という未発表の論文の内容です。

物理学者のアインシュタインは、チャップリンとの会談の後、彼の政治経済に対しての考えの深さに感銘を受け、「経済学者チャップリンへ」とサインをしたほどでした。

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