1850年代、テネシー州リンチバーグに奴隷として暮らしていたネイサン・グリーン、通称アンクル・ニアレスト。彼は、故郷の西アフリカで覚えた特殊な浄水技術を使って、ウイスキーをつくることで知られていた。サトウカエデの炭でウィスキーを濾過するその方法は、おなじみの「リンカーン郡製法」として知られるようになり、現在も使われている。
実業家のジャスパー・ダニエルは、ニアレスト・グリーンの製法と製品に天才的な才能を感じた。ジャスパーは、南北戦争が終わると、ある蒸留所を買い取り、そこにファーストネームをジャックに変えた自分の名前を付けた。ジャックダニエルの初代マスターディスティラー(蒸留責任者)は、アンクル・ニアレスト。いまや自由の身となり、ジャックの師匠で親友となったネイサン・グリーンだ。