自分のパワーが小さいと感じている消費者は、購買行動において、商品の多様性を重んじる傾向があることが明らかになった。これは、無意識のうちに、みずからの自律性を取り戻したいと考えるからなのだろう。この研究結果は、いわゆる「補償的消費」(実利的な価値を求めて商品を購入するのでなく、何らかの心理的脅威を埋め合わせるために行う消費)に関する先行研究の結果に沿うものだ。
たとえば、パワーの小さい買い手は、種類が多いチョコレートの詰め合わせを選ぶ傾向がある。それに対し、パワーの大きい買い手は、種類の少ないチョコレートの詰め合わせを選ぶ傾向がある。