「すい臓がんは、予後が最も悪いがんです。その理由のひとつは、早期発見の難しさにあります。早期の段階では症状がありませんし、他の種類のがん検診で行われる血液検査でもなかなか見つけにくい。しかもすい臓は胃の後ろ、腸管に囲まれたところにあるので、超音波検査をしても簡単には見つけられません。治療の面においても、他のがんに比べて、有効な抗がん剤の種類が極めて少なく、効果もいまひとつです」

 「すい臓の周りには腹部大動脈や上腸間膜動脈、腹腔動脈など重要な血管がたくさん広がっています。すい臓がんはその血管に浸潤しているケースが多く、胃や大腸のように臓器を切り取ってしまえばそれでおしまい、というように簡単にはいかないのです。

 手術の途中で血管の扱いを間違えてしまったり、すい液が漏れて合併症が生じたり、がんを取り切れずに一部残ってしまい、再発したりということが非常に起こりやすい難しいがんです」

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