アップルに復帰したジョブズは、既存のプロダクトラインナップの70%を切り捨て、斬新なiMac G3を投入することで、同社の価値提案を一新した。

 当時、デスクトップPCの定番だった四角いグレーの箱型と違い、iMacは卵のような形で13色から選ぶことができた。iMacは、低価格コンピュータ市場から完全に撤退し、代わりにセクシーなインダストリアルデザインに注力するというアップルの意図を示すうえで、重要な役割を果たした(iMacの1ドル当たりの性能は犠牲にされたが)。

 この方針転換には、1億ドルを投じた巨大な広告キャンペーンも含まれていた。それは、新たな戦略的方向性に本気で取り組むというジョブズの覚悟の表れだった。

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