日本の民鉄のビジネスモデルは、阪急電鉄の創始者、小林一三氏が作り出した手法が基礎になっていることは、ご存じの方も多いだろう。
ざっくり言えば、郊外に鉄道を敷設して、その沿線に住宅地を開発しつつ、さらには沿線にデスティネーションとなる施設(例えば、宝塚歌劇場、遊園地など)を設けて、人流を人工的に作り出す。そして沿線を移動する住民などの生活の全てに関わるインフラを構築して、沿線価値を持続的に高めていくことで、収益も確保するモデルといえるだろう。
なかでも、都市部に人流を集める主要駅ターミナルには、利用者のあらゆる消費ニーズを充足する大型百貨店を置いて、沿線で買い物が完結する環境を整備した。