理屈の上では、ある商品やサービスの供給量が減れば価格が上昇し、結果として、その商品やサービスを買いたいと思う人が減り、需要と供給の間に新しい均衡が生まれるはずだ。しかし、現実はそんなに単純ではない。供給のショックは、持続的な物価上昇の引き金を引く場合もあるのだ。
ほかに好ましい代替品が存在しないため、その商品の価格が上昇し続けるケースも多い。あるいは、供給のショックがいつ終わるのか、そもそも終わる時が来るのかがはっきりせず、物価上昇が止まらないケースもある。また、最初の物価上昇により、将来の物価に関する人々の予想が変わる結果、物価が上昇し続けるケースもある。