従業員は、通勤時間も仕事の一部と考える傾向があるため、在宅勤務により通勤がなくなったことで生産性が上がったと考える。経営者は生産性を考える時、通勤時間を考慮に入れない傾向がある。

コロナ禍前に1日1000ドルの生産高を上げていた労働者がいたとしよう。
実労働時間は9時間で通勤時間が1時間(計10時間)だから、1時間当たりの生産高は100ドルだ。
この人が在宅勤務になると、通勤時間はゼロだが、実労働時間は引き続き9時間である。
その生産高が1日950ドルだとしたら、労働者から見れば生産性が向上したことになる。
1時間当たりの生産高は、106ドルとなるからだ。

しかし、経営者から見ると、そうはならない。
彼らはもともと通勤時間をカウントしていないため、コロナ禍前の生産高は1時間当たり111ドルだった(9時間で1000ドル)。
それが在宅勤務になると106ドルに落ち込んだことになる。
もし従業員の給与が変わらないなら、その会社の生産高は、給料に対して減ることになる。

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