江戸時代になると、当時の百科事典『和漢三才図会』に「油虫」と「五器嚙」という名が登場する。

ゴキカブリのゴキは「御器」ともいい、食べ物を盛る器のこと。カブリは「齧る」という意味で、器に盛られた物ばかりか、その器までをも齧る様子からその名がついたといわれている。

1884年に出版された生物学の辞典『生物学語彙』は、生物の名前を英語で示し、その隣に和名を入れる体裁で書かれている。

この本のゴキカブリの項目で、「蜚蠊」(中国で使用されていたゴキブリの名称)と漢字で書いた際、振り仮名から「カ」の字が脱落してしまい、この後に出版された生物の教科書でもこの表記が踏襲され、いつの間にか一般に定着していったのだ。

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