1978年にアルバム『千のナイフ』でソロ・デビューを果たしていた。しかし、すでにスタジオミュージシャンとして知る人ぞ知る存在ではあったものの世間的知名度は低く、初回のプレス枚数はわずか500枚。しかも、そのうち約200枚しか売れなかったという。その当時のことを、同書で坂本さんはこう振り返っている。

「アルバムが完成したとき、うれしくてよく行っていたカフェバーでかけてもらったんです。大音量で流れたら店内が微妙な雰囲気になった。仲の良い自分も音楽をやっているというウェイターにそっと、坂本さん、この音楽じゃモテないですよって言われて衝撃を受けました(笑)。

 女性にモテるかという以前に、売り上げとか聴き手のことはまったく考えずに作っていたんです」

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