日本人は欧米人と違って簡単に筋肉がつかないことです。
人の筋肉は筋線維という細い線維が集まってできています。この筋線維に赤と白の2種類があると聞いたことはありませんか? 赤い筋線維は「赤筋」または「遅筋」といい、ゆっくりと長い時間にわたって働くことができます。そして白い筋線維は「白筋」または「速筋」と呼ばれ、瞬間的に大きな力を発揮できるのが特徴です。
赤身の魚は筋肉の大部分が赤筋でできていて、その代表がマグロです。マグロはこのおかげで広大な太平洋を回遊しながら成長を続けます。それに対して白身の魚の代表がヒラメ。ふだんは海底でじっと横たわっていますが、獲物となる小魚を見つけると、すばやく追いかけてつかまえます。
白筋の合成が少ない人はアフリカ系では3~10%しかいませんが、欧米白人は20%、アジア系では30%以上にのぼります。
アフリカ系の人が筋肉全体の約70%が白筋であるのに対し、欧米白人は50~60%が白筋、日本人を含む黄色人種は逆に70%が赤筋と言われ、アフリカ系の人がオリンピックの短距離走で活躍するのはこのためと考えられています。同じアフリカ系でも、エチオピア、ケニアなどの東アフリカは、白筋ができにくい遺伝子変異を持つ人が40%を占めるというデータがあるそうです。白筋が弱い分、赤筋が発達していることが、東アフリカ勢のマラソンの強さを支えている可能性があります。