アマゾンが初めてペイ・トゥ・クイット戦略を実施した2014年に、ジェフ・ベゾスは株主への手紙で次のように説明している。
「ペイ・トゥ・クイットは非常にシンプルです。年に1回、アソシエートに、退職するなら金銭を支払うというオファーを出します。1年目のオファーは2000ドルです。その後は1年ごとに1000ドルずつ、5000ドルまで積み増しされます。オファーの冒頭で、『このオファーを受けないでください』と伝えています。私たちはオファーを受けないでほしい、会社に残ってほしいと思っています。では、なぜこのようなオファーをするのか。その目的は、自分が本当は何をしたいのか、あらためて考えてもらうことです。長い目で見れば、自分が働き続けたくないと思っているところに留まることは、本人にとっても会社にとっても健全ではありません」
アマゾンはこのプログラムを倉庫作業員向けに提供してきたが、2022年の初めに労働市場の逼迫を理由に一時停止した。現在はアップスキル用プログラムの「キャリアチョイス」を修了した人だけを対象としている。