欧州消費財大手ユニリーバPLCの株価純資産倍率(PBR)は2022年末の時点で6倍、インドの子会社ヒンドゥスタン・ユニリーバは12倍だった。子会社にはその前身を含めて90年の歴史があり、その時価総額も760億ドルに達している。

スイスを拠点とする世界最大の食品飲料会社ネスレSAの場合、そのPBRが6倍に対して、インド子会社のPBRは実に82倍に上る。米工業・事務用品大手3Mの場合も、そのPBRは4.2倍だが、インド子会社は12.7倍だ。特殊化学品を主力とする世界的な化学メーカーBASFでは、ドイツの親会社のPBRがわずか1倍しかないのに、インド子会社は4倍に上る。重工業の世界的企業シーメンスでは、ドイツの親会社が2倍に対して、インド子会社が10倍である。

親会社とインド子会社のPBRにこれほど差があるのはなぜか。それは、親会社が自国の市場で低迷しているのに対して、インド子会社にはより高い成長見通しがあり、より高い収益性、より効率的な資産活用を実現しているからだ。

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