クイビは、短編動画配信プラットフォームとして2020年4月に大々的に立ち上げられた。
だが、同年12月1日までに10億ドル以上の損失を出して解散した。
投資家には、アリババ、ディズニー、グーグル、ゴールドマン・サックスなど有名企業が名を連ねた。
経営陣も豪華で、イーベイとヒューレット・パッカードの元CEO、メグ・ホイットマンと、ドリームワークスのジェフリー・カッツェンバーグだった。
出資者たちは「このインサイダーチームであれば市場が何を求めているかを知っている」と確信した。
クイビのアプリが2020年第2四半期に450万回ダウンロードされたのに対して、その有料会員数は2020年第3四半期までに71万人にとどまった。
無料トライアルが終了した初期ユーザーの90%を失っていたのだ。
クイビは、旧来のハリウッドモデル型(高品質・高コスト型)に軸足を置いたために失敗した。
ちょうどティックトックが3億1500万ダウンロード(2020年第1四半期)を記録し、爆発的に成長していた時期だった。
その違いは何だったのか。
ティックトックは、ユーザーが提供したコンテンツを高性能なAIがキュレーションすることで、ユーザーの集合知を取り入れていたのである。