羽生善治王位と木村一基八段の王位戦を、私と当時三段の藤井、同年代の奨励会員で検討していた時のことです。

「そんな場面は一回守っておけば、もっと楽に勝てるんじゃないか」

奨励会員が、何気なくこのような言葉を発した時です。

「いや、君はそんなことを言ってるからだめなんだよ」

藤井は笑いながら、答えました。

私はその時、彼はそもそも「安全にやろう」といった発想をしないんだな、と再認識しました。

危険な順から読み進めることは彼の性格なのです。

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