「両対局者の感覚がかなり違っていた部分が印象に残っています。私も含めてほとんどの人は渡辺先生(明九段)側の考え方だと思ったんですけど、藤井七冠の感想も聞いて普通ではなかったというか、人間離れしていると感じました。すごさを目の当たりにしましたよね」
「序盤や終盤ももちろんそうなんですけど、事前研究から外れた中盤の強さです。終盤は5通りくらいあったら1通りがいい手になることが多いので、とてつもなく難しい局面ではない限りはいい手も選びやすい。ただ中盤は候補手も多くて、どれもめちゃくちゃ悪くなるわけではないので、正しい手を選ぶのが難しい」
「でも藤井七冠はその選び方が正確なんです。最善手と次善手の間がAIで100点も離れていないと感じるときに、藤井七冠はそれぐらいの微妙な差でも正しいほうを選べます」