3年前の2020年3月、ある女性がヴィンテージのロレックスを購入した。

彼女はそれをザ・リアルリアルで購入し、オリジナルの箱や書類は付属していなかったものの、時計が本物であるという鑑定書をもらった。

書類がないことで少し不安を覚えたが、ストラップのサイズを直してもらうためにロレックスの店に持っていった。店ではその時計について何か言う人は誰もいなかった。

そして2023年9月、時計が止まった。

別のロレックスの店に時計を持ち込んだが、修理には4週間から6週間かかると言われた。ところが驚いたことに、そのわずか数時間後、時計の引き取り準備が整ったというメールが届く。

修理代金は1000ドル(約15万円)を超えるだろうという彼女の予想に反して、0ドルだった。

ロレックス店の担当者は、この時計にはアフターマーケットの部品が使われているため、修理はできないと言った。

「担当者の顔を見て、時計が偽物なのだとわかった」

彼女は時計をザ・リアルリアルに戻し、そこで鑑定人はその時計がスーパーコピーであると認めた。

ザ・リアルリアルは、エリザベスが時計に支払った9295ドル(約140万円)を返金することに同意したが、そこにはひとつ問題があった。

その時計は彼女が購入してから数年のあいだに数千ドル値上がりしていた。現在まったく同じ時計が、再販市場でも、またロレックス経由でも1万5000ドル(約225万円)近くで売られている。

「新品で買おうが、中古品で買おうが、その時計を買い直そうと思ったら、どうしたって5000ドル(約75万円)分の投資を失うことになる」

その上、戻ってくる9295ドル(約140万円)は、インフレのせいで3年前に使った9295ドルほどの価値はない。いずれにしても、彼女は経済的な損失を被ったのだ。

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