オンライン・ポッドキャスティング・プラットフォームを構築していたオデオは、2005年、アップルが自社の競合プラットフォームをiTunesの一部としてiPodに同梱すると発表した際、存続の危機に直面した。
オデオの首脳陣は、抜本的な戦略転換の必要性を認め、そこから一日中「ブレインストーミング」を行う日々が始まった。新たな方向性を検討するための集合的ランダムサーチである。
このセッションで生まれたアイデアが、友人やフォロワーと近況を共有するためのオンラインプラットフォームであり、最近改名されるまでは、ツイッターとして知られていたものである。
オデオが置かれた状況では、戦略的ロードマップを策定する時間は限られており、当時すでにフェイスブックとマイスペースがそれぞれ月間アクティブユーザー数を数千万人も獲得している過密市場の中で、効果的な市場調査や競合分析を行う時間もなかった。
その代わりに同社は、ツイッターをミニマム・バイアブル・プロダクト(MVP:実用最小限の製品)として立ち上げるという選択によって、会社を存続させることができ、プラットフォームを改善し続けることによって繁栄できた。
皮肉にも、オデオの投資家たちはツイッターのポテンシャルに気づかず、経営陣に約500万ドルでの自社株買いを許した。これは、イーロン・マスクが2022年に支払った金額の0.01%ほどである。