ジェンダー平等論者は、性差を生物学的に根拠づけることは、それを是認する理由を与えることになるとして徹底して否定する。

このような立場に対して、ホーフェンは生物学的に性差は厳然とあると言い、男性は女性より攻撃的であるし、だからこそ命をかけて人命救助などを行う割合が高いことを認める。

と同時に、「自然であることは善であることを意味しない」と断言する。

言い換えるならば、自然に備わっているということは、それを全面的に受け入れなければならないことを意味しない。

例えばチンパンジーの雄も信じがたい暴力を振るうというエビデンスがある。

この事実があることは、私たち人間が男性によるドメスティック・バイオレンスを許容すべきだということを意味しない。

だが同時に、そのような傾向を実際男性が進化の過程で持っていることを知ることは、こうした傾向を増大させないために大事だというのがホーフェンの主張である。

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