「大まかな意思・方向性を持ち、それを信じて進むことで、客観的に見れば起きえないはずのことを起こす力が、人にはある」
これを、セルフ・フルフィリング(self-fulfilling:自己成就)という。
「1970年代の石油ショックによる日本のトイレットペーパー不足は、セルフ・フルフィリングで説明できる」
実は当時の日本には、トイレットペーパーの在庫は十分にあったといわれる。誰もが普通に使っている分には、トイレットペーパーが不足することはなかったのだ。
しかし「石油価格が上昇すると、トイレットペーパーがなくなる」と当時の日本人の多くが思い込んだために、多くの人が買い占めに行き、本当にトイレットペーパーがなくなったのである。
(銀行の取り付け騒ぎなども、このメカニズムで説明できる)。