中国で一番人気のフード・デリバリー・アプリ「メイトゥアン(Meituan:美団)」は、この問題の解決策をひとつ提案した。
顧客と飲食店の間で起こった紛争について、アプリのユーザーが「陪審員」として審議することだ。
この場合の紛争とは、ご飯の量が足りなかった、麺の辛さが足りなかった、食べ物が完全に冷めていたなど、実にさまざまである。
陪審員の中には、非常に真剣に取り組んでいる人もいる。
注文のメモを注意深く調べ、顧客がアップロードした食べ物の写真を拡大し、配達のタイムスタンプを精査する人もいる。
クラウドソーシングによる紛争の解決は、代替手段よりも大幅に効率的であることが明らかになった。
通常のクレームはプラットフォームが処理するまでに3~4営業日かかるが、クラウドソーシングによる陪審では通常、判断が下されるまでの時間は約73分だった。
バイアスという大きな問題も発見した。
買い手と売り手の二分法では、人々は自分が属しているグループに投票する可能性が高くなるのだ。
平均すると、プラットフォームで商品を販売した陪審員は、買い手でもある陪審員よりも売り手側に投票する可能性が10%高かった。