ナイキの2022年度におけるD2C収益は合計187億ドル(約2兆6600億円)に達し、報告ベースでは14%の伸び率であり、しばらくのあいだ、このD2C戦略はうまく機能しているようだった。
しかし、ナイキは卸売の力を過小評価していたのかもしれない。
特に、顧客ができるだけ特売品を探し求め、特定のブランドへの忠誠が薄くなる時期にそれが明確になった。
さらにパンデミックの期間、ほかのランニングシューズのブランドがナイキの顧客に売り込みをかけた。
「より大規模なD2Cビジネスを持つのは良いことだ。消費者とより密接につながるのも重要だと思う。しかし、消費者は選択肢を求めており、依然としてマルチブランドの小売業者に足を運ぶという点について、ナイキはマーケットプレイスに関する判断を誤ったのだと思う」