ファイブ・フォースは欧米のMBAでは必ず習う。

「産業の収益性は、5つのフォース(脅威)で規定される」というものだ。

フォース1:潜在的な新規参入企業 (force of potential entrants)
参入障壁が低いと、既存企業が高い収益を上げても新たに企業が参入してそれを奪おうとする。

米国内線航空産業は1978年に規制緩和が行われ、新規参入企業が相次ぎ、各社の収益性は大きく低下した。

フォース2:競合関係(force of rivalry)
小さな企業が数多くひしめき合っている産業、差別化が難しく価格競争しかできない産業では、競合度合いが高まる。

米国内線航空産業では、現在も100以上の航空会社がひしめき合っている。飛行時間が短く、国際線で求められる「快適なビジネスクラス」や「豪華な機内食」が必要ないので、差別化が難しい。

フォース3:顧客の交渉力(force of buyer)
顧客が自社製品から他社製品に乗り換えやすい産業ほど、顧客側の交渉力が強くなるので収益性が低下する。

米国では、特定の国内線航空会社にロイヤルティを持つ利用者は少ない。また最近の顧客はウェブサイトで徹底した価格比較を行い、安いフライトを選ぶ傾向にある。

フォース4:売り手の交渉力(force of supplier)
自社が売り手(サプライヤー、ベンダーなど)を選べない立場にいる時、売り手側の交渉力が強くなり収益性は低下する。

機体の購入先の選択肢は、ボーイング、エアバス、ボンバルディアなど少数企業に限られる。

フォース5:代替製品の存在(force of substitutes)
「コーヒーにとっての紅茶」のような代替品が豊富な産業ほど、収益性は低下する。

米国は鉄道網こそ発達していないが、無料の高速道路が充実しており、ガソリンの価格も安いため、自動車が飛行機を代替する移動手段となっている。

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