「『転生もの』では前世の記憶だけは残っていますが、前世の自分が置かれていた『環境』はオールクリアされ別のものになっているわけです。これは、自分が置かれている『世の中』や自分の『現状』への不満などネガティブな認識の結果と考えられます」
「前世の記憶は残っているのですから、たとえ姿形はまるで変わったとしても、自分自身の『精神』は変わりません。これは、自分自身に対する『全面肯定』の結果です。つまり、世の中は『全否定』、自分自身は「全面肯定』という心理的構造が基礎になっています。これは、犯罪者が『自分は悪くない。世の中が悪い』と主張するのに似ています。両者に共通しているのは世の中への『責任転嫁』であり、自分を変えるつもりがない、という点です。自分が変わらなければ世の中も世界も変わらないのですが…」