ガスライティングとは、誰かを心理的に操る目的で、その人が自らの記憶や精神状態に疑問を抱くよう仕向ける行為を指します。
言葉の由来は、英国で生まれた1930年代の戯曲で、1944年にイングリッド・バーグマン主演で映画化された「Gaslight(邦題「ガス燈」)」です。
作品は、主人公の女性の財産を狙う夫の策略により、女性が自らを信じられなくなり、精神を病んでいく様子が描かれます。
女性が自分の感覚に自信を持てないようにする手口の一つが、ガス燈が暗くなっているのに気づいた主人公の指摘を、夫が「気のせい」と否定するというものでした。
このように、実際にあったり、起きていたりすることを「うそだ」「想像に過ぎない」などと否定しつづけ、「正気を失った」と相手に思い込ませるマインドコントロール的な言動を、この作品にちなんで専門家らが「ガスライティング」と呼ぶようになりました。