「企業がリソースを一時的に独占できても、それを他社に模倣されたらその価値は長続きしない。リソースは他社が模倣しにくいものでなければならない」
組み合わされたリソース群が以下のような条件を持つ時、ライバルの模倣は困難になる。
(1)蓄積経緯の独自性(historical uniqueness):企業が時間をかけて組み合わせて蓄積したリソース群ほど、その企業独自のものとなるので模倣されにくい。
(2)因果曖昧性(causal ambiguity):因果関係が複雑なリソースの組み合わせほど、「そのなかで何がいちばん大事なのか」「価値を出す根本の原因は何か」がはっきりしないので、他社は模倣しにくい。
(3)社会的複雑性(social complexity):リソースが複雑な人間関係・社会的関係に依拠することだ。例えば、企業内の複雑な人と人の関係、企業文化、顧客やサプライヤーへの評判、などのリソースがこの特性を持ちうる。社会的複雑性が高いほど、他社がそのリソースを活用したり、扱ったりすることが難しくなる。