サウスウエスト航空は米国の代表的なLCCだ。
まず同社は、米国内でも中小規模都市間をつなぐ短中距離飛行に特化している。
さらに同社は中型のボーイング737だけを使っているが、これは短中距離飛行しか行わない同社の戦略にマッチしている。同じ機体しか買わないのだから、購入時のディスカウントも期待できる。
使用機体が1種類しかないことは、トレーニングの効率化に寄与する。
結果として、同社のターンオーバー(空港に着陸してから再出発するまでの時間)は平均15分で済み、これは業界内で頭抜けて短い。
したがって、1機の飛行機で1日に他社より多くのフライトを運行できるので、これはパイロット1人当たりのフライト数の増加にも寄与する。したがって同社はパイロット数を抑えて、人件費を抑制できる。
さらに機内食を提供しないことで費用を抑えているが、これは、ターンオーバーのさらなる短縮化にも貢献する。そして何より、短中距離飛行だけに注力しているからこそ、機内食なしで済むのだ。
米国ではこれまでデルタ航空、ユナイテッド航空、USエアウェイズなど、多くの既存の米国航空会社が、サウスウエストのやり方を模倣しようとして、ことごとく失敗してきた。