フジテレビには、「ネロを死なさないで」という助命嘆願の手紙が殺到しました。
ネロが凍死するという悲劇的な結末を避けようと、製作陣もハッピーエンド案を検討していました。
しかし、すべての脚本に目を通していたカルピス社の土倉冨士雄社長の決断で、日本中の子供たちが大号泣したあのラストシーンになったのです。
土倉社長は熱心なキリスト教信者でした。最終回でネロは孤独に死んだのではなく、パトラッシュと一緒に天国に召され、おじいさんやお母さんと仲良く暮らすことになった、という解釈から、原作小説のままの結末になったのです。