新車は中古車になった瞬間に大きく価格が下落してしまいますが、それは新車と同じような見た目や使用感でも買い手が「中古だから何か大きな欠陥があるかもしれない」と考え、そのリスクの分だけ値引きを要求するためです。
一方で売り手は自分の車が新車同様の高品質な車であることを知っているため、「そんな価格では売れない」と市場から退出してしまいます。
すると市場には品質の悪い中古車ばかりがあふれることになり、買い手はさらにリスクを見積もってより大きな値引きを要求し……というループが繰り返されて市場に粗悪品ばかりが並ぶことになってしまいます。
アメリカの俗語で品質の悪い中古車のことを「レモンカー」と呼ぶため、情報の非対称性によって粗悪品ばかりが出回ってしまう市場のことを「レモン市場」と名付けました。