シグナリングとは、相手に理解されにくい私的情報の代わりとなる「わかりやすく顕在化したシグナル」を外部に送ることで、情報の非対称性を解消しようとするメカニズムである。
就職市場での代表的なシグナルは、志望者の「学歴」だ。志望者の能力・性格のような私的情報は企業が把握できないが、その人の学歴ならだれにでもわかる。そして一般によい大学に入るには、人はそれなりに優秀でなければならないし、真面目に勉強しなければならない。この理由で、情報の非対称性に直面する企業が「優秀で真面目な人」を選別するために学歴をシグナルにするのは、合理的な判断といえる。