2003年12月23日、アメリカでBSEが出たという第一報が入って、そのときすき家は、吉野家さんも松屋さんもそうだけれども、100%、米国牛を使っていたわけです。

じゃあどうしようかと。面白いことに、豪州の肉を使おうとはまったく思わなかったね。これは人間の恐ろしいところで、当時、僕らもプロだから、豪州の牛肉を年間40万トン、日本は輸入していたけれども、これは「グラスフェッド」で草を食べて育ったので牛丼には使えないと思っていたわけ。全然使えない、ダメだと思い込んでいた。

いろいろ調べると、当時、豪州でも国内のスーパーでも、「フィードロット」の穀物で肥育した牛肉の売り上げがドンドン増えていた。オーストラリア人は真っ赤のグラスフェッドを向こうで食べていて、輸出用だけフィードロットをするのは効率が悪い。だからグラスフェッドだと長らく言われていたわけです。

でもそうじゃなくて、豪州の国内マーケットもフィードロットした肉がジューシーでいいというふうになってきていたんですよ。調べてみると、当時の店数でいけば、穀物肥育した牛肉が調達できるという目安がついてきたわけです。だったらということで、その肉で牛丼を作って、最初はダメだったんです。

というのは、米国産の牛肉用の牛丼のタレでまずは煮たんですが、やっぱりだめで、タレを変えなきゃならないなと。

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