「同等比較」とは、自分が現在置かれている社会経済的状況を、幼なじみ、年齢の近い家族、同級生といった自分と同じようなバックグラウンドをもつ他者と比較することである。同等比較は、幸福感に大きな影響を及ぼすが、これは、成長過程が似ているという認識に起因するという。

人はしばしば、同等比較によって自身を評価する。この手の比較の方が、自分とは明らかに違う相手や、自分より上と見なす相手と自分を比較するよりも、苦痛が小さいことがわかっている。

相手とじかに接触したり、近しい関係にあったりすると、社会的比較が煽られることがあるという。例えば、「取り残された」と感じたり、相手と同じ期間内に大きな成果を上げて当然だったのにと考えたりする。

その結果、自分は他者よりも成果をあげられていないと感じ、自己肯定感が損なわれ、それが幸福感に少なからぬ影響を与える。

自己肯定感は主に、人生をどう送ってきたかという自己評価に根ざしていることが多い。その点からすると、自分自身や自分が達成したことに対するポジティブな評価は、収入の水準にかかわらず、幸福に欠かせないものと考えられる。

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