2017年8月、当時20代のグーグルのソフトウェアエンジニアだったジェームズ・ダモアは、全社員に「グーグルのイデオロギー的エコーチェンバー」というメモを送った。ダモアは、同社の左派への政治的偏向が「一部の考えが神聖すぎて正直に議論できないイデオロギー的エコーチェンバーを生み出している」と主張した。ダモアは、とりわけ「テクノロジー業界における女性の代表を増やすためだけに差別する」のは「見当違いで偏っている」と示唆した。1か月以内に、グーグルは「有害なジェンダーステレオタイプを推進した」として彼を解雇した。
グーグルは長年進歩的な企業であり、例えば2020年には、グーグル従業員による寄付の88%(約550万ドル)が民主党に寄付され、共和党に寄付されたのはわずか12%(約76万6000ドル)だった。しかし、ダモア氏が解任された後、グーグルの企業文化はさらに過激になったという。「ダモア氏の解任は、よりオープンなイデオロギー的議題を推進する勇気を彼らに与えた」と同氏は語った。
2015年から2023年までグーグルで勤務したビジネスマネージャーのデビッド・キファーバウム氏は、ダモア氏が解雇された後、マイノリティを採用するよう圧力を受けたと語った。「この役職には、本当に多様な候補者を求めています」といった言葉を耳にするようになったとキファーバウム氏は言い、それを「白人以外、異性愛者以外」の応募者という意味だと解釈した。