寺山修司の評論集『死者の書』(土曜美術社、1974年)に、「青少年のための自殺学入門」という章があって、これが面白いんです。少年時代の寺山は「自殺機械をつくることに熱中していた」らしく、彼の考案した自殺機械をいくつか紹介しています。たとえば、「2羽のニワトリ式自殺機」は、「心臓に照準をあわせて、弾をこめた猟銃を設置し、その引き金を2羽のニワトリの足にヒモで結んでおく。2羽のニワトリは私の頭上の砂袋に止まっているのだが、袋に穴があいているので砂がこぼれて、だんだん足許が不安定になってくると、本能的に下へとびおりる。そのときに足に結んだヒモが引っ張られて引き金がひかれ、私は射殺されるというものである」。他にも、「上海リル式浴槽自殺機」、「ねじ式自殺樽」「脱穀機型脳天振動自殺機」などを発明しています。

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