楚(そ)と兵をまじえた折のこと。60万もの大軍を託された将軍・王翦(おうせん)が、勝利したあかつきには、豪壮な邸宅をたまわりたいと政にねだった。これ自体はふしぎなことでもないが、いささか所望の度が過ぎており、快諾されたあとも、いくたびとなく無心をつづけたという。見かねてたしなめた人に向かい、王翦がこたえる。
「いま私がひきいているのは、秦の全軍というべきものである。おそらく王は猜疑の目でこちらを見ているにちがいない。褒美に執着しているだけで野心などないと思っていただきたいのだ」
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楚(そ)と兵をまじえた折のこと。60万もの大軍を託された将軍・王翦(おうせん)が、勝利したあかつきには、豪壮な邸宅をたまわりたいと政にねだった。これ自体はふしぎなことでもないが、いささか所望の度が過ぎており、快諾されたあとも、いくたびとなく無心をつづけたという。見かねてたしなめた人に向かい、王翦がこたえる。
「いま私がひきいているのは、秦の全軍というべきものである。おそらく王は猜疑の目でこちらを見ているにちがいない。褒美に執着しているだけで野心などないと思っていただきたいのだ」